西畑 保(にしはた たもつ)

貧しい家庭に生まれ文字の読み書きができない。寿司職人として働き、妻・皎子と2人の娘(浩美・美紀)を持つ。
長年支えてくれた皎子に感謝の手紙を送ろうと、定年退職を機に夜間中学へ通い始める。

comment

西畑保さんのことは弟子のノンフィクション落語で字が書けない話だと大まかには知っていましたが、オファーをいただいて映画の脚本を読んで面白そうと思いましたし、その後原田さんが妻役だと聞いて「ぜひ!」とお伝えしました。原田さんには僕が旦那で気の毒ですけど…(笑)。全然喋らなくてもいいなって思える空気で、完全に夫婦になってます。
先日、西畑保さんに実際にお会いしました。歳を重ねてから何かいいものを手に入れた人って、なんか嬉しそうなんです。そこが一番大事です。嬉しそうなんですね。「字」を書いたことで人生が豊かになって、それだけ努力もされて…凄く素敵な方でした。
粛々と気張る必要なく淡々と過ごしていった結果に、幸せがある。そう思って撮影に臨みました。何度も言いますが、原田さんと一緒に演技できるのが嬉しいですね(笑)。

profile

1951年12月23日生まれ、大阪府出身。72年、六代目笑福亭松鶴の許に入門。数多くのテレビ番組に出演する傍ら、『べっぴんの町』(89)、『母べえ』(08)、『夢売るふたり』(12)などの映画作品に出演する。『ディア・ドクター』(09)、『おとうと』(10)、『閉鎖病棟–それぞれの朝–』(19)では日本アカデミー賞優秀主演男優賞を、『ふしぎな岬の物語』(14)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。近年の主な映画作品に『99.9 –刑事専門弁護士– THE MOVIE』(21)、『七人の秘書』(22)、『あまろっく』(24)などがある。